Cienaは、海底・長距離・メトロ光伝送ネットワークのリーディング企業として知られていますが、同社の革新技術は、データセンター内とその周辺においても有効でしょうか。AIによって生じる新たな課題を解決するために、Cienaがお客様をどのように支援しているかについて、グローバル製品&サプライチェーン担当上級副社長のブロディー・ゲイジ(Brodie Gage)が解説します。
Cienaは、長年にわたり、高速光伝送ネットワークのグローバル・リーダーとして広く知られてきました。Cienaのアプローチの中核には、業界をリードするコヒーレント・モデム技術、多用途の光通信システム、高度なネットワーク自動化ツールがあります。これらのソリューションは、海底、長距離、メトロDWDM、データセンター間接続(DCI)など、その規模にかかわらず、ネットワークに広く導入され、最新の光伝送ネットワークの標準を確立し、消費電力と設置スペースの要件を軽減しながら、スケーリングを実現しています。
Cienaが予測したとおり、クラウド・サービスは急拡大し、人工知能(AI)アプリケーションは爆発的に成長しています。その結果、トラフィックが従来の年成長率30%を大きく超えて急増しています。Cienaは実体験を通して、サービス・プロバイダー、クラウド・プロバイダー、コンテンツ・プロバイダーが新たな革新的AIソリューション提供の基盤を築くために、最大容量と超低遅延ネットワーク・アーキテクチャーを必要としていることを理解しています。
Cienaは、独自のWaveLogic 6 Extreme(WL6e)コヒーレント・モデムにより、お客様がこれらのニーズを満たせるように既に支援を提供しています。WL6eは、業界唯一の1.6Tb/s単一波長ソリューションおよび統合C&Lバンド光伝送ソリューションであり、ネットワーク制御ツールでもあります。これらのハードウェア機能とソフトウェア機能に加え、エラーのない迅速な導入を求める業界の要求に応えて、Cienaは容量の導入を自動化する機能にも注力しています。
Cienaは、大きな視野に立って考え、常に可能性の限界に挑戦しています。しかし、Cienaチームは従来のアプリケーションをサポートする革新技術の開発ペースを落としているわけではありません。むしろ、当社が市場をリードする光伝送技術の強みを活かすことにより、さらに大きな成果を上げていることをご存じでしょうか。Cienaがソリューションを拡張しているのは、数千キロに及ぶ長距離接続ニーズだけでなく、データセンター・キャンパス全体とデータセンター内、いわゆるデータセンター内とその周辺の接続ニーズにも対応するためです。
最も難しいネットワークの課題を解決することこそ、Cienaが最も得意とすることであるため、AIによって山積する新たな課題をお客様が解決する支援をCienaが行っているのは不思議なことではありません。
「Cienaがソリューションを拡張しているのは、数千キロに及ぶ長距離接続ニーズだけでなく、データセンター・キャンパス全体とデータセンター内、いわゆるデータセンター内とその周辺の接続ニーズにも対応するためです」
光伝送の強みを活かしてデータセンター内とその周辺の革新的なソリューションを構築
データセンターの設置スペースが急拡大しているのは、AI/ML(人工知能/機械学習)関連の成長がその理由のひとつとして挙げられます。AIクラスターは大幅に拡張され、xPU間接続(GPU、TPUなど)が何十万という数に急成長しており、かつてないレベルの電力量が消費されているため、データセンター間でコンピューティング・インフラを分散する必要が生じています。この状況を受けて、クラウドおよびAIソリューションのグローバル・プロバイダーは、高パフォーマンス、低消費電力、柔軟な接続を提供するスケーラブルなデータセンターを設計できる革新技術を提供するよう業界に求めています。これは、まさにCienaが提供している革新技術そのものです。
Cienaのデータセンター戦略は、次の3つの主要分野に重点を置いています。
1) メトロDCI(データセンター間接続)
2) キャンパス・アプリケーション(2~20km)
3) データセンター間アプリケーション
各分野でCienaが行っていることについて、もう少し詳しく説明します。
- メトロDCI
データセンターの分散化が進み、接続距離が短くなっているため、ルーターに直接搭載したコヒーレント・プラガブル・トランシーバーが、スペース効率、電力効率、コスト効率の点で最も優れたソリューションとなっています。WaveLogic Nanoポートフォリオを提供するCienaは、これらのソリューションの主要サプライヤーであり、クラス最高を誇る当社の高パフォーマンス・プラガブル・モジュールの需要は堅調な伸びを示しています。現在、WaveLogic 5 Nano 400Gコヒーレント・プラガブル光モジュールの導入が大幅に進んでおり、WaveLogic 6 Nano 800Gコヒーレント・プラガブル光モジュールは現在サンプリング中で、今年前半の一般リリースが予定されています。また、次世代1600ZRプラガブル・ソリューションの開発も順調に進んでいます。
- キャンパス・アプリケーション
AI需要によって接続ラインレートが上昇しているため、従来のIntensity ModulatedDirect Detect(IMDD)技術を使用して、データセンター内とその周辺の光伝送接続に必要なパフォーマンスや伝送距離を達成するのは、ますます難しい課題になるでしょう。この課題に対応するために、Cienaは、1.6T Coherent-Liteソリューションのような画期的な製品を市場に投入しています。これらの製品は、400ZR/800ZRプラガブル光モジュールと比べたレイテンシーの短縮とビットあたりのコスト最小化を実現しながら、パフォーマンスの大幅な向上と大容量化のメリットをIMDD技術に提供し、WDMをサポートする機能によって伝送距離を20kmまたはそれ以上に延伸します。これにより、キャンパス・アプリケーションの場合、最適なパフォーマンスを維持しながらも、サステナブルなエネルギー源の近くにデータセンターを構築して接続できるという、これまでに例のないレベルの柔軟性を事業者に提供します。
- データセンター間アプリケーション
Cienaは、混在信号の設計とパッケージングに関する独自の専門技術を活かして、最適化された224Gと448GのSerDesチップレットの市場投入を計画しています。これらの技術は、内蔵xPU、xPOエンジン、AECなどのAI主導アプリケーションのスケールアップとスケールアウトの両方に使用できる、業界最高のパフォーマンスを提供します。
実際、現在のシリコンで動作する、3nm CMOSの224GDAC(デジタル/アナログ)とADC(アナログ/デジタル)の最先端技術を採用した448Gb/s PAM4を提供しているのは、Cienaだけです。このような成果は、3.2Tやそれ以上の次世代接続への道を拓くだけでなく、よりサステナブルなデジタル・インフラに向けた変革を実現します。
AIとクラウドの可能性を最大限に引き出す戦略的なソリューション
AIとクラウドの成長に対応するCienaの戦略は、単なる技術的なロードマップではありません。これは、サービス・プロバイダーとクラウド事業者の両者が、WANおよびデータセンター内とその周辺でAIがもたらす機会に備えられるようにお手伝いするというコミットメントです。Cienaはその最先端技術により、ネットワーク変革の新たな章を開始して、事業者の案内役を務めることができる独自のポジションを確立しています。
「クラウド内またはAIベースのデータセンターでデータレートを高速化するには、革新的な技術が必要です。1.6TのCoherent-Liteや448Gb/sのPAM4などの最新の革新技術により、Cienaはコヒーレント光伝送技術における技術的なリーダーシップを直接的に応用することで、データセンター内のこれらの新しい課題を解決する方法を実証しています」
— Cignal AI、ディレクティング・アナリスト、アンドリュー・シュミット(Andrew Schmitt)氏(本日のプレスリリースから)
CienaはOFCにおいて、海底、陸上、メトロのネットワークの需要の増大に対応する革新技術に加え、データセンター戦略もご紹介します。
ご紹介する内容:
- WL6eによる業界初の1.6Tb/sコヒーレント・ソリューション。WL6eは、Waveserverプラットフォームと6500プラットフォームに搭載され、あらゆるアプリケーションに最大容量の接続を提供します。
- プログラマブルな光通信システム。エッジからコアまで、ROADMターミナル・サイトの変革も含めて、アプリケーションに最適化された構成をサポートすることで、マルチレイル導入に対応します。
- WaveLogic 5 Nano 400GおよびWaveLogic 6 Nano 800Gコヒーレント・プラガブル・トランシーバーなどのCienaのメトロDCIソリューション。
- 1.6T Coherent-Liteソリューションの業界初のライブ実演。キャンパスDCIとデータセンター間アプリケーション向けに、224G SerDesを使用して1.6Tb/sスループットをサポートします。
- シリコンで動作する業界初の448Gb/s PAM4。低消費電力の3nm CMOSに実装された超広帯域DAC(デジタル/アナログ)とADC(アナログ/デジタル)コンバーターを搭載し、3.2T接続への道を拓きます。電気PAM4と光PAM4の両方のIMDD伝送を実演します。
OFCでお会いしましょう。これらの戦略と革新技術についてご紹介できるのを楽しみにしています。