スマートフォン、リモートワーク、クラウドサービスや動画配信サービスなどの普及により、世界中のインターネットで行き交う情報量は年々増加をたどっています。IT技術はめざましい発展をとげており、通信トラフィックは今後さらに急激な増加が予測されるでしょう。それに対応するには、さらなるネットワークの安定・大容量化が欠かせません。本ブログでは、Cienaの光レイヤー・ソリューションがどのように長距離の安定した大容量サービス実現を支援するかについて、事例を交えご紹介します。

大容量で安定したインターネット通信ニーズの高まり

近年、日本では全国的に、クラウドベースのアプリケーションや帯域幅を消費する動画コンテンツなどの普及による高帯域幅の需要が高まっています。

2024年の国内パブリッククラウド市場が2019年比2.4倍の2兆644億円になると予測されるなど、これらの市場規模は今後も順調に増加していくでしょう。今後予測される爆発的な通信トラフィックの増加に対応するために、大容量でスケーラブルなネットワーク基盤の整備は通信事業者にとって急務と考えられます。

Ciena 6500 RLSで大容量かつスケーラブルな通信が可能に

Cienaが提供する『6500 Reconfigurable Line System (RLS)』は拡張性の向上、スペースの削減、より高い柔軟性とプログラマビリティーを備え大容量、長距離対応、安定した信頼性を実現する光レイヤー・ソリューションです。

最大の特徴はCバンドとLバンドを両方使用した大容量の長距離通信と、海底ケーブル伝送で培った技術であるASEを活用した安定したネットワークの拡張性と運用性です。

ネットワーク事業者におけるメリット

CIenaの6500 RLSが、ネットワーク事業者にとってどのような具体的メリットがあるかみていきましょう。

統合C&Lバンド技術により簡単に容量を拡大

Cienaの6500 RLSを活用することにより、Lバンドへの拡張に伴う従来の課題を解消することができます。CバンドとLバンドの両方のコンポーネントがアンプ・モジュールに統合されており、ラインアンプ局への出動や変更も必要ありません。既存のCバンドに影響を与えることなくLバンドの追加が可能で、簡単に帯域を2倍に増やせるため、予測しないトラフィックの増大にも、柔軟な対応が可能です。

最適な構成で長距離伝送を実現

高密度のROADM(Reconfigurable Optical Add-Drop Multiplexer)と光アンプ、及びオプションのラマンアンプの構成によって、長距離の伝送能力を実現可能で、広域データセンター間の接続や大陸間の通信ネットワークなどの実現を強力にサポートします。

ASEノイズローディングで安定性を確保

ASE( Amplified Spontaneous Emission )ノイズローディングとは、あらかじめASEノイズを未使用チャネルに放出しておくことで通信の出力を細かく制御する必要がなくなり、以下2点の大きなメリットがあります。

  • 回路設計をシンプルにできる
  • 既存の通信に干渉しなくなる

Ciena6500 RLSは、これらの光伝送技術により、海底ケーブル伝送のみならず陸上伝送においても、大容量で長距離、安定した通信を実現することが可能となります。

日本での長距離ネットワークサービス開始を支援

Coltテクノロジーサービス株式会社(以下「Colt社」)は、Cienaのソリューションを活用し、500km超の長距離に対応する大容量サービスの提供を発表しています。

Colt社は、ヨーロッパ全域で事業展開するColt Technology Servicesのオセアニアを含むアジア地域における企業で、データセンターサービスやネットワークサービスなどを主な事業としています。

今回、Cienaの複数製品が使用されたのは、同社の「Colt IQ NETWORK」と呼ばれるネットワークサービスです。Colt IQ NETWORKは、欧州、アジア、北米を中心とする32か国222都市において、1,000か所以上のデータセンター、51の都市部エリアネットワーク、31,000棟以上の商用ビルを接続していて、400Gbpsで最適化されたインテリジェントネットワークです。

このネットワークを安定運用しつつサービスを拡大していくには、展開が容易で、効率的な運用ができ、かつ同社のサービスを支える大容量通信が可能な製品を選定する必要がありました。

そこで選ばれたのが、「大容量かつ安定」を実現するCienaの6500 RLSです。

Colt社は、RLSの統合されたLバンド増幅器とASEノイズローディングによって、Colt IQ NETWORKのサービスを強化し、日本での長距離・大容量ネットワークサービスを安定的に開始することが可能となりました。

さらに下記のツールによって、導入・運用・トラブルシューティングの簡素化にも成功しています。

  • ゼロタッチプロビジョニングツール
  • ネットワークの自動検出ツール
  • リアルタイムネットワークモニタリングツール

Cienaは安定・大容量ネットワークの提供開始を支援

今後爆発的に増大し続ける通信トラフィックに対応するためには、さらなる安定性を持ち、大容量なネットワークの構築が必要不可欠です。Cienaの6500 RLSを活用すれば、統合C&Lバンド技術により容易にファイバー容量を倍増、そしてASEノイズローディングにより安定運用を実現することができるでしょう。

Cienaは、これからもRLSを始めとした最新光ソリューションの提供で、日本のネットワーク事業者が顧客のニーズに応えるための支援を行っていきます。