昨年、当社は業界初のプラットフォーム・アーキテクチャー、WaveRouterTMの提供を開始しました。WaveRouterにより、従来の制約をなくしてIPレイヤーと光レイヤーを統合し、運用の最大限の簡素化、将来に備えた拡張性、サステナビリティーの向上を実現できます。

業界の高度なIPルーティング・アーキテクチャーの原則として確立されたWaveRouterは、
新しいプラットフォーム・アーキテクチャー設計、業界をリードするCiena WaveLogicTMコヒーレント光伝送技術、マルチレイヤー・ネットワークの可視性、ソフトウェア制御機能をパッケージ化しています。先週お伝えしたとおり、Verizonは今後もWaveRouterとその他のCienaソリューションを活用して、同社の長距離ネットワークとメトロ・ネットワークを変革する方針です。

しかし、Cienaチームの仕事はそこで終わりではありません。より多くのお客様のネットワークにこのようなメリットを実現する方法を今後も開発し続けていきます。

WaveRouterファミリーの拡張:WaveRouter-2、WaveRouter-7、およびWaveRouter-13

WaveRouter Family:  The previously introduced WaveRouter-13, along with the new WaveRouter-2 and WaveRouter-7

WaveRouter ファミリー:以前に提供開始したWaveRouter-13と 新たに追加したWaveRouter-2とWaveRouter-7

お客様にとって欠くことのできない柔軟性を提供するために、ひとつとして同じネットワークは存在しないという認識の下、当社は「単一製品であらゆるニーズに対応することは不可能である」というアプローチを取っています。そのために、新しいWaveRouter-2とWaveRouter-7によってWaveRouterオプションを拡張し、お客様のネットワーク統合ニーズへの対応を強化しています。

なぜオプションを拡張しているのでしょうか。当社は、テクノロジーを展開し、それぞれに異なる場所、ユースケース、容量のニーズを満たすには柔軟性が必要であるというお話をお客様から直接伺っています。例えば、すべてのお客様がネットワークにWaveRouter-13を導入し、伝送容量を192TBにスケールアップしなければならないわけではありません。お客様によっては、小さいフォームファクターのWaveRouterで十分なメリットを得られます。

WaveRouterファミリーの拡張の利点は、L0~L3の完全な統合において、柔軟なスケーリング、高性能な光伝送技術の統合、および分散アーキテクチャーの実現が引き続き可能になることです。しかも、ビジネス・ニーズに応じて必要なサイズのWaveRouterを選択できます。WaveRouterの各バージョンによって、メトロ・ネットワーク事業者は、拡張可能なスイッチ・ファブリックと柔軟な配線オプションを活用し、現在だけでなく将来にもわたって最適な規模のネットワークを構築できる自由が得られます。

以前に提供を開始したWaveRouter-13(WR-13)ハウジングは、最大48Tb/sまで伝送容量を拡張できる柔軟性を提供します。このファミリーの拡張では、最大24Tb/sまで伝送容量を拡張できるWaveRouter-7(WR-7)ハウジング、最大12TB/sまで伝送容量を拡張できるWaveRouter-2(WR-2)ハウジングのオプションが追加されました。これらのすべてにより、ネットワークでさまざまなユースケースをサポートできるようになっています。

「Cienaは、昨年48Tb/sコヒーレント・メトロ・ルーターのWaveRouter-13を市場に投入した後、広範囲な顧客アプリケーションに対応できるようにするための戦略的な動きとして、新しいフォームファクターを2つ追加しました。12Tb/sと24Tb/sの新しいハウジングによって、 メトロ統合のための選択肢が増え、WaveRouterの市場シェアも拡大しました。」

初期のWaveRouterと同様に、このファミリーの拡張によって、活発なネットワーク需要に対応するお客様を支援します。スペース、消費電力、冷却機能、拡張性を犠牲にすることはありません。WaveRouterによって、当社はマルチレイヤー制御を考慮して再構築したルーティング・プラットフォームを提供していますが、これにはNavigator Network Control Suiteのマルチレイヤーの一元管理と可視化の機能を活用しています。これにより、事業者は費用対効果の高い方法でネットワークのIPレイヤーと光レイヤーを統合できます。

それでは、最新のフォームファクターのWR-2とWR-7について、その需要促進要素と主要なユースケースを詳しく見ていきましょう。

選択肢の拡大を求める需要の高まり

企業とサービス・プロバイダーは、サービス提供範囲を地理的に拡大したいと考えていますが、異なるメトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)を横断することは、不可能ではないにしろ極めて困難です。L2スイッチにはルーティング機能がないため、仮想LAN(VLAN)をつなぎ合わせることにより、異なるネットワーク・セグメント間でスイッチングすることもできますが、メトロ・ネットワークのスケーリングは不可能です。

L3_L2 multi_service PE Large Metro with the WaveRouter Family translated in German

WaveRouterファミリーを使用したL3/L2マルチサービスPEによる大規模メトロ

当社はこの問題に取り組み、WaveRouterのサイズ(12Tb/s、24Tb/s、48Tb/s)を選択できるようにしました。また、クリック操作だけでL2サービスとL3サービスを複数のリージョンにわたって相互接続できるようにもしました。

それでは次に、モバイルと固定アクセス・サービスのトラフィックを見てみましょう。モバイル事業者がよく直面する課題として、DWDMによる複数メトロ・ネットワークの接続の必要性や、高性能トランスポンダーによる他社ベンダーのOTNクロスコネクト接続などがあります。WaveRouterは、企業用にEVPN VPLS/VPLS、モバイルと固定アクセス・サービス用にL3VPN/VRFを使用して、複数のリモート・アクセス・サービスのトラフィックをメトロにバックホールできます。

ここでも、必要なサイズのWaveRouterを選択するだけで、調整されたマルチレイヤー運用アプローチのすべてのメリットを1台の装置で享受できます。複数の装置を維持するコストも不要で、スペースも削減されます。

L3 aggregation for mobility fixed access translated in German

モバイル/固定アクセスのL3アグリゲーション

それでは次に、ホールセール事業者のケースについて解説します。ホールセール事業者がビジネスを成功に導くには、共有通信インフラの提供だけでなく、データセンター、アクセスポイント(POP)、電話局(CO)、光回線導入済みの建物を接続することが必要です。国際的なホールセール事業者も同じ接続性を提供しますが、通信インフラを共有するリージョナル・ネットワークと国内のメトロ・ネットワークに複数の装置を展開する必要があります。WaveRouterのルーター・ファミリーは、前例のない高性能な光伝送技術をメトロ・ルーターで採用し、マルチレイヤー統合を簡素化することで、有効利用されないチップセットとファブリック容量の無駄をなくし、複数の装置(ルーターとトランスポート)の展開を不要にします。

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CSP Wholesale in German

CSPホールセール

最後に、マネージド・サービス・プロバイダー(MSP)は、マルチレイヤー統合を進めており、十分な建築物負荷および熱制御機能と冷却機能を備える必要があります。IP/オプティカル統合(別名コヒーレント・ルーティング)の導入計画がある場合、1つのラックへの高密度な収容は可能であっても、隣接するラックを空にする必要性や、100年前の建物なら床補強の必要性が生じる可能性もあります。WaveRouterファミリーの利点のひとつは、プラガブル光モジュールもコヒーレント光伝送装置も最大限にサポートできることに加え、単一のノードを物理的に分散してサーマル・フットプリントを空間的に分散できることです。WaveRouterの3つのオプションにより、事業者が100Gから、400G、800G、さらに1.6Tに移行するときに選択できるオプションが増えました。

Thermal spatial density translated in Japanese

空間的な熱密度

メトロ・ネットワークの選択肢の増加

それでは、これまでの内容をまとめましょう。WaveRouterファミリーは、事業者が日々のネットワーク運用で直面している多様かつ重要なユースケースに対応するように設計されました。Cienaの目標は、これらのユースケースに対応できるようにWaveRouterファミリーを拡張してネットワーク統合の選択肢を増やし(WR-2、WR-7、WR-13)、事業者が統合ネットワークを最適パフォーマンスで簡単に構築して管理できるようにお手伝いすることです。その成果として、市場の需要に動的に適応できる効率性と拡張性が高いサステナブルなネットワークを構築できるようになりました。