より低遅延で、超高速の、高品質なデータ通信があれば、どんなことが実現できるようになるでしょうか。遠隔地でロボットを用いた治療、車両の遠隔操作、はたまた遠く離れた仲間との音楽演奏など、夢は尽きません。

私たちは今、従来のインターネットの限界を突破するために、新たなブレークスルーを目指して取り組んでいます。その先頭に立っているのが、次世代を担う超高速・低遅延・高効率な光通信システム開発を目指す『IOWN Global Forum』です。

今回はIOWN Global Forumの活動内容やCienaとの共創内容も交えてお伝えしていきます。

IOWN Global Forumとは?

IOWNは「Innovative Optical and Wireless Network」の略称であり、「低消費電力」「超広帯域」「低遅延」の超高性能ネットワークを実現する、次世代フォトニクス技術開発の促進を目的として2020年に立ち上げられ、NTT、インテル、ソニーの3社により「IOWN Global Forum」が設立されました。この超高性能なネットワークを用いて、最新のスマートデバイスを通じて人々が相互接続する、よりつながりの強い世界の枠組みを構築することを目指しています。

今では140社を超える加盟数となったIOWN Global Forumに、Cienaがいち早く参画していた理由は、フォーラムの基本原則の多くが、Cienaが掲げているAdaptive NetworkTMのビジョンと一致していたからです。IOWN Global Forumは、データや技術、人々が融合するスマートな世界を実現するというビジョンを掲げています。そして当社のAdaptive Networkは、インテリジェントな自動化、リアルタイム分析、そしてプログラマブル・インフラストラクチャーを組み合わせ、エンドユーザーの絶え間なく変化するニーズに応じることを可能にするものです。

CienaのCTO(最高技術責任者)であるスティーブ・アレクサンダー(Steve Alexander)は、IOWN Global ForumのBoard of Directorに選任され、活動の推進に貢献しています。Cienaは、同フォーラムとの連携をさらに強化するとともに、今後のネットワークはよりスマートさを増し、クラウドサービスをユーザーにより近づけなければならないというビジョンを推進していきます。

飛躍のための野心的な目標と目指す社会

IOWN Global Forumは、世界が現在のインターネットの限界を打破できるよう、ネットワーク分野のリーディングカンパニーが結集し協力することで、今後も増え続ける帯域幅需要、安定性や超高速通信への期待、消費電力の上昇などに、まったく新しい方法で対応することを使命としています。

同フォーラムの「ビジョン2030ロードマップ」にある多くの目標の中には、優れた帯域幅、低遅延、柔軟性の向上、エネルギー効率の改善を実現するエンド・ツー・エンドの光通信システムがあり、オールフォトニクス・ネットワークの開発が含まれています。

オールフォトニクス・ネットワークの目標性能

  • 電力効率を100倍に
  • 伝送容量を125倍に
  • エンド・ツー・エンド遅延を200分の1に

Cienaは、Adaptive Networkのビジョンに加え、より効率的で堅牢な通信インフラの開発に貢献する最先端のWaveLogicコヒーレント光技術、激増するデータトラフィックを処理する大容量・高速接続を提供する1.6Tb/s技術などの製品やイノベーションを通じて、IOWN Global Forumの取り組みをさらに支援し、その発展に大きく貢献できます。

また、ソフトウェア主導であるAdaptive Networkの設計原理、光コントロール・プレーン技術、エネルギー効率を最適化するアーキテクチャー、低消費電力の新しいの光伝送とスイッチング技術を既存のインフラに迅速に展開する手法も提供しています。

上記のような技術や製品は、2030年に向けて、そしてその先も非常に重要となってきます。さらに今後は社会の情報化がますます加速し、それに伴いデータ消費量も急増するでしょう。IOWN Global Forumとそのメンバー企業は、増大する需要に対応するために、革新的な技術を開発し、高品質なデータへの平等なアクセスを実現することで、その新たな技術の恩恵をすべての人が享受できるような社会を目指していきます。